●大蛇(おろち)あらすじ
悪業のため高天原を追われた須佐之男命が出雲の国・斐川にさしかかると、老夫婦が嘆き悲しんでいました。訳を尋ねると、夫婦には8人の娘がいましたが、巨大な怪物の八岐大蛇が毎年あらわれて、7年に7人の娘をとられ、最後の1人も取られる運命にあるといいます。須佐之男命は、大蛇退治を約束し、毒酒を作らせ、これを大蛇が飲んで酔った所を退治しました。この時、大蛇の尾から出た剣は、天の村雲の剣(のちの草薙の剣)として天照皇大神に献上され、三種の神器の1つとして熱田神宮に祀られています。須佐之男命は助けた娘、奇稲田姫と結婚しました。
●登場人物
須佐之男命(すさのおのみこと)
神産みにおいて伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が禊を行った際、鼻を濯いだ時に産まれたとする神。太陽を神格化した天照大御神(あまてらすおおみかみ)、月を神格化した月読命(つくよみのみこと)とともに三貴子に当たる。
奇稲田姫(くしいなだひめ)
足名椎・手名椎8人の娘の中で最後に残った娘。大蛇の生贄にされそうになっていたところを、須佐之男命により櫛に姿を変えられ須佐之男命はこの櫛を頭に挿して八岐大蛇と戦い退治する。
足名椎(あしなづち)
大山祇命の子。大蛇の生贄にされる8人の娘の父で、須佐之男命の大蛇を退治した後に須賀の地に宮殿を建てると、宮の首長に任じられて稲田宮主神の名を与えられる。
手名椎(てなづち)
大蛇の生贄にされる8人の娘の母で、足名椎の妻。
大蛇(おろち)
八岐大蛇(やまたのおろち)と言い、頭が8 つ尾が8 つある記紀神話に登場する伝説上の怪物。
●ここに注目!
煙の中から登場、須佐之男命に襲いかかる大蛇。火を吐きながらの激闘は圧巻です。
大蛇の長さは17 メートルもあるよ。
大蛇は石見神楽の代名詞とも言うべき演目で、そのスケールの大きさは他の神楽の比ではありません。和紙と竹だけで作られるちょうちん蛇胴の考案により、石見神楽に一大改革を起こしました。大蛇の舞手は身体を胴の中に隠し身体を見せずに舞わなければなりません。