●塵輪(じんりん)あらすじ
神2人鬼2人が対決する鬼舞の代表的な神楽です。
第14代仲哀天皇(帯中津日子)は、外国より日本に攻め来た数万騎の軍勢の中に塵輪という、身に翼があり、黒雲に乗って飛びまわり人々を害する大将軍に官軍には誰も敵(かな)うものが居ないと聞き、天皇自ら天の鹿児弓、天の羽々矢を持って高麻呂を従え迎え撃ち、激戦の末に退治します。
●登場人物
帯中津日子(たらしなかつひこ)
第14 代仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)。日本武尊の第二子、神功皇后の夫。熊襲討伐のため神功皇后とともに筑紫に赴いたが、神懸りした神功皇后から西海の宝の国(新羅のこと)を授けるという天照大神と住吉三神による神託を受けた。天皇は、これを信じず神を非難したため神の怒りに触れ、翌年2 月、急に崩じた。
高麻呂(たかまろ)
安倍高麻呂、仲哀天皇の従者、介添えとも呼ぶ。
塵輪(じんりん)(白鬼・赤鬼)
日本に襲来した軍勢の将軍、日本熊襲を扇動し豊浦宮を襲撃したが、自ら弓矢を取った仲哀天皇に討たれた。
●ここに注目!
翼を持つ大悪鬼との大激戦!
●鑑賞のポイント
(1)天皇自ら弓を持ち、大悪鬼との戦いに挑む場面は、神2人、鬼2人が入り乱れる石見神楽屈指!
(2)金糸銀糸で刺繍された豪華な鬼の衣裳は、飛龍、飛虎など羽の付いた衣裳を使うことが多い。